ご来院の多い症状
肩こり・首の痛み
肩、首は僧帽筋や大胸筋といった大きな筋肉と、小さいながらも大切な役割をする筋肉で支えられています。
背中の真ん中から、頭の付け根までを覆う僧帽筋は、かたくなると広範囲に痛みをもたらしますが、 浅い部分にあるためほぐしやすく、効果も出やすい筋肉です。
● 肩・首の痛み
成人の頭の重さは、個人差がありますが、おおよそ5~6kg程度とされています。これは、約ボーリングの玉と同じ重さに相当します。この頭の重さが、首の骨、特に頸椎(けいつい)にうまくバランスよく支えられているときは、特に問題なく過ごすことができます。つまり、正しい姿勢を保ちながら生活していれば、首への負担は最小限に抑えられます。
しかし、現代の生活では、スマホやパソコンを長時間使用したり、下を向いている時間が長く続いたりすることが多くあります。このような姿勢は、頭の位置が前方に倒れてしまっています。首はその状態で、頭を支えようとするため、首や肩周辺の筋肉が普段以上に働くことになります。特に、頭が前に出た状態では、首の筋肉が本来の役割以上に負担を強いられるため、筋肉が緊張して硬直しやすくなります。
このような姿勢が長時間続くと、首や肩の筋肉に大きな負担がかかり、筋肉が疲労しやすくなります。その結果、首のコリや肩こり、場合によっては痛みが発生することになります。筋肉が緊張した状態が続くことで血行が悪化し、さらにコリがひどくなるという悪循環が起きることもあります。
下を向くと首がつっぱる感じ。上を向くと首の付け根から肩にかけてビリっとする。など首の痛みにもいろいろなケースがありますが、改善に一番時間がかかるのは、上を向くと痛みが出るケースです。上を向けないのは朝起きるとき、歩行などにも支障もたらすことがあります。感覚としていきなり上を向けなくなりますが、必ず前兆はありますので、早目のご来院が早期改善のカギになります。

● 肩こり
デスクワークをしていると、長時間同じ姿勢を保つことが多いため、無意識に肩が持ち上がった状態になりがちです。この姿勢が続くことで、肩甲骨を引き上げる役目を担っている筋肉、特に僧帽筋(そうぼうきん)や上部菱形筋(じょうぶりょうけいきん)などに大きな負担がかかります。これらの筋肉は肩を安定させ、肩甲骨を適切に動かすために重要ですが、長時間のデスクワークで使い続けると、疲労がたまりやすく、筋肉が緊張し硬直してしまいます。この状態が続くと、肩こりや首の痛みだけでなく、背中の痛みなども引き起こされることがあります。
さらに、デスクワーク中は頭が常に固定された状態になりがちです。この姿勢では、首を安定させるために首の深部に位置する筋肉に負担がかかり、首周りの筋肉が緊張して硬くなることが避けられません。首を支える筋肉、特に深層筋は、普段から重要な役割を果たしていますが、長時間負荷がかかると、筋肉が過度に働き続け、疲れやこりが溜まっていきます。この状態が続くことで、筋肉の緊張が解消されず、偏頭痛の原因となることがあります。偏頭痛は、首や肩の筋肉が硬直することによって血行が悪化し、神経が圧迫されることが引き金となって発症することがよくあります。
これらの筋肉は体の深い部分に位置しているため、表面にある筋肉の緊張を解くことだけでは、十分に改善することができません。まずは表面の筋肉をリラックスさせて、血行を改善することが大切ですが、その後に深層筋にアプローチして、根本的な痛みや緊張を和らげる必要があります。深層筋の緊張が解消されることで、首や肩、背中のコリが軽減され、さらに偏頭痛やその他の痛みの予防にもつながります。
● 肩甲骨周りが痛い
この場合の痛みの原因のほとんどは、背骨と肩甲骨を引き寄せる働きをしている筋肉(菱形筋)にあります。特にデスクワークや家事仕事など、日常生活で体を前傾させる姿勢を長時間取ることが多いため、負担がかかりやすくなります。菱形筋、非常に重要な役割を果たしているにも関わらず、小さな筋肉であるため、疲れやこりが蓄積しやすいです。その結果、筋肉が硬直し、痛みを引き起こす原因となることが多いです。
菱形筋は、背中の上部にある僧帽筋(そうぼうきん)よりもさらに深い部分に位置しており、肩甲骨を引き寄せる働きに加えて、背骨の安定性にも寄与しています。しかし、長時間のデスクワークや不適切な姿勢により、菱形筋が過度に緊張し、柔軟性を失ってしまうことがよくあります。特に、肩を前方に突き出すような姿勢が続くと、多大な負担がかかり、痛みを引き起こすことになります。
さらに、菱形筋は大胸筋(だいきょうきん)との関連が深いです。大胸筋は胸部に位置する大きな筋肉で、肩を前方に引っ張る働きをしています。大胸筋が緊張していると、肩が前に引っ張られるため、肩甲骨周りの筋肉が常に緊張状態になります。肩が前に出ることで、菱形筋はさらに緊張し、硬くなりやすくなるのです。そのため、肩甲骨を引き寄せる筋肉だけでなく、大胸筋や胸部に関連する筋肉も同時にケアすることが重要です。
また、肩甲骨を支える筋肉群の中には、鎖骨を固定する筋肉もあります。鎖骨を支える筋肉が硬直していると、肩の位置が不安定になり、肩周りの筋肉に余分な負担がかかることになります。これらの筋肉も一緒にほぐすことで、肩甲骨の位置が安定し、肩の前方への引っ張りが軽減されるため、肩周りの緊張が和らぎ、痛みの予防につながります。
つまり、肩や背中の痛みを解消するためには、肩甲骨周りの深層の筋肉をしっかりとほぐし、肩を前に引っ張る大胸筋や鎖骨を固定する筋肉にもアプローチをすることが不可欠です。これにより、肩や首、背中の筋肉が緩み、正しい姿勢が取りやすくなり、痛みや不快感を予防することができます。
● 洋服の脱ぎ着が辛い
このような場合には三角筋、または腕を回旋させる筋肉に原因があると考えられます。重い物を持ったり、長時間パソコンでマウスを使用した場合も痛みを感じることがあります。これらの筋肉が長い間、緊張状態にあると、肩関節に負担がかかり様々な問題を引き起こします。特に早めのメンテナンスが必要な箇所です。これらの筋肉は手技も使ってほぐしていきます。肩関節には僧帽筋や、広背筋なども関連が深く、状態を確認しながら施術していきます。
※上記はあくまで一例です。
カウンセリング、検査をして、一人ひとりの状態に合わせて施術を行います。痛みや、筋肉の緊張状態が強い場合は、2~3回の施術をお勧めします。